夏の夜や外出前、エアコンを消した途端にムワッと暑くなる家もあれば、しばらく涼しさが残る家もあります。
同じようにエアコンを使っているのに、この差はどこから生まれるのでしょうか。
「エアコンの性能が違うから?」と思われがちですが、実は原因は家そのもののつくりにあります。
理由1 断熱性能だけで決まるわけではない
「暑くならない家=断熱性能が高い家」
この考え方は半分正解で、半分不十分です。
断熱材がしっかり入っている家は、外の熱が室内に伝わりにくく、冷房効率が良くなります。
ただし、断熱性能が高くても、エアコンを消した瞬間に暑くなる家は存在します。
これは、
・家の中に熱が溜まりやすい
・熱の逃げ場、動き方が整理されていない
といった別の要因が関係しているためです。
理由2 家の中に「熱だまり」ができている
エアコンを止めた後に急に暑く感じる家は、壁・天井・床・家具などに熱が蓄積されています。
特に影響が大きいのが、
・天井裏
・屋根直下
・2階の空間
これらの場所に溜まった熱が、エアコン停止と同時に一気に室内へ戻ってくることで、「さっきまで涼しかったのに…」という体感になります。
一方、暑くなりにくい家は、熱を溜めにくい構成、もしくは溜まった熱をゆっくり逃がす仕組みが整っています。
理由3 換気と空気の流れが整っているか
意外と見落とされがちなのが、換気と空気の流れです。
換気が弱すぎると、室内に熱や湿気がこもりやすくなります。
逆に強すぎても、外の暑い空気を一気に引き込んでしまいます。
暑くなりにくい家は、
・空気がゆっくり循環する
・熱と湿気が偏らない
という状態がつくられています。
冷たい空気だけでなく、「湿気がどう動くか」も、体感温度に大きく影響します。
理由4 素材の違いが“体感の差”をつくる
同じ温度でも、暑く感じる家と、そうでない家があります。
その差を生むのが、壁や床など、室内に使われている素材です。
調湿性のある素材を使った家では、湿度が急上昇しにくく、エアコン停止後もベタつきを感じにくくなります。
反対に、湿気をため込みやすい内装の場合、温度以上に「蒸し暑さ」を感じやすくなります。
この違いが、「エアコンを切った瞬間の不快感」として表れます。
エアコンに頼らない時間が長い家は、設計で決まる
エアコンを消してもすぐ暑くならない家は、冷房を我慢している家ではありません。
・断熱
・熱の逃がし方
・空気の流れ
・素材の性質
これらがバランスよく整っていることで、エアコンに頼り切らない時間が自然と増えていきます。
「性能が高いから快適」ではなく、
「家全体がうまく働いているから快適」
それが、暑くなりにくい家の正体です。